アレルギー性鼻炎・花粉症の治療
アレルギー性鼻炎はI型アレルギー(いちがたアレルギー)に分類される疾患で、花粉症は植物の花粉が鼻や目などの粘膜に接触することによってアレルギー反応が引き起こされる疾患です。
症状はくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状が特徴です。
アレルギー性鼻炎かどうかを知りたい場合は、まずこれまでの経過と症状を伺い、鼻の中を診させていただきます。アレルギー性鼻炎の特徴的な鼻粘膜の色調、腫脹の具合を観察することで診断できる場合があります。
また「鼻汁好酸球検査」という簡易的な検査で、患者さんの鼻汁を採取し、アレルギーのテストを行い、アレルギーの有無を診断することができます。
スギ花粉、ハウスダスト、ダニなど、どのようなものに対するアレルギーがあるかを調べたい場合は、採血をして1週間後に結果をお話しできます。その中で「Viewアレルギー39」という検査を当クリニックは取り入れており、少量の採血でアレルゲン39項目を同時に測定することができます。
検査対象となるアレルゲン39項目は以下のとおりです。
吸入系アレルゲン
<吸い込んで体に入るもので、アレルギーの原因となりやすいもの>
・室内の塵:ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト
・動物:ネコ、イヌ
・昆虫:ガ、ゴキブリ
・樹木:スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ
・草:カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、オオアワガエリ
・カビ:アルテルナリア(スズカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア
食餌系アレルゲン
<食べて体に入るもので、アレルギーの原因となりやすいもの>
・卵:卵白、オボムコイド
・牛乳(ミルク)
・豆、穀物:大豆、小麦、そば、ごま、米
・ナッツ類:ピーナッツ
・甲殻類:エビ、カニ
・果物:キウイ、りんご、バナナ
・肉類:牛肉、豚肉、鶏肉
・魚:マグロ、サケ、サバ
その他
・ラテックス(ゴム)
もし採血が苦手なお子さんでしたら、当クリニックではアレルギーの迅速診断もしており、測定できるアレルゲンは、花粉系(スギ・カモガヤ・ブタクサ・ヨモギ)、ハウスダスト系(ヤケヒョウヒダニ・ゴキブリ・イヌ・ネコ )の8項目ですが、指先から数滴の血液を採取し、所要時間約20分で、当日に結果の説明もできます。この検査は保険が適応されます。お子さんの場合はこども医療費の助成は受けられます。
治療について
治療には症状を抑えることが目的の対症治療と、花粉症そのものの治癒を目指す根治治療があります。また、症状が出る前から予防的に薬を服用することを行う初期治療もあります。
症状がひどくなると炎症を抑えるのが難しくなる傾向があるので、できるだけ早期に当院にご相談ください。
アレルギー性鼻炎と診断された場合、各患者さんに合わせた治療方法をいたします。また、当院では漢方による治療も行っているため、漢方薬のみを数種類組み合わせる方法、西洋医学の治療薬と併用する方法等、患者さん1人1人に合ったオーダーメイドの最良の治療を提供していきたいと考えています。
さらに薬物療法で症状が軽くならない難治性の鼻炎に対して、レーザー治療を行っています。治療は片側10分程度で終了し、痛みはほとんどありません。保険が適用されます。花粉症の方には、花粉飛散前の治療をおすすめしています。
詳しくは「アレルギー性鼻炎・花粉症のレーザー治療」をご覧ください。