鼻の症状(鼻水、くしゃみ、鼻づまり、鼻水がのどに落ちる、においがしないなど)
鼻は呼吸や嗅覚、声の共鳴に関わる大切な器官です。鼻に起こる症状には、鼻炎、副鼻腔炎、後鼻漏、嗅覚障害などがあります。
おもな症状
鼻水がでる、鼻水に悪臭がある、鼻詰まりがひどい、鼻水がのどに落ちる感じ、鼻血がよくでる、いびきがひどい、鼻の奥が痛い、においを感じない、など。
鼻の主な病気
鼻炎
鼻の粘膜に発生した、急性または慢性の炎症のことです。
鼻炎の原因は、感染、化学物質など様々ですが、特に、アレルギーによって発症した鼻炎を「アレルギー鼻炎詳しくはこちらのページをご覧ください」と言います。
放置すると慢性鼻炎や副鼻腔炎に移行することもありますので、長引く場合は、放置せずに、お早めに当院にご相談ください。
副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔とは、鼻と口とを繋ぐトンネルの部分です。そこに炎症が起きる病気が副鼻腔炎です。慢性の副鼻腔炎は、蓄膿症と呼ばれることもあります。
炎症により発生した膿が鼻腔から細い筒状のトンネル(自然孔)から排泄されずに溜まって慢性化します。
一般的な治療方法は投薬治療ですが、投薬治療で改善しない場合は手術になることもありますので、早期の診断が重要です。
後鼻漏
後鼻漏(こうびろう)は、鼻水がノドの方へ流れ落ちてくる症状です。
鼻水は、健康な人でも1日に2~6リットルが作られ、その約3割(0.6~2リットル)は鼻の後方からのどに流れ落ち、本人が知らないうちに無意識に飲み込んでいると言われています。これが後鼻漏(こうびろう)です。ですから、後鼻漏があること自体は病気ではありません。後鼻漏は、健康な方でも生じている生理的なものなのです。
しかし、かぜやアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などで、鼻内の鼻水が増えてくると、のどに落ちていく後鼻漏が普段よりも増えてきて、それがのどの違和感、咳の原因になります。また鼻の奥には咽頭扁桃と呼ばれるリンパ組織があります。ここのリンパ組織に炎症が生じると、リンパ組織が赤く腫れて、分泌液が増えます。そのため、鼻汁がのどに落ちるようなのどの違和感が生じことがあります。胃酸逆流による刺激でリンパ組織に炎症が生じる場合もあります。
後鼻漏を来す原因はさまざまであるため、原因に応じた治療が必要となります。かぜ、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎の治療、制酸剤による治療などが行われます。当院では漢方による治療も行っているため、西洋医学の治療薬と併用する方法も行われます。
鼻炎や咽頭扁桃(リンパ組織)の炎症などの場合は、生理食塩水による鼻洗浄も効果があります。当クリニックでは、在宅でも気軽に鼻洗浄ができるように指導致します。
咽頭扁桃(リンパ組織)の炎症に関しては、Bスポット療法(又は塩化亜鉛療法)という治療法があります。咽頭扁桃は耳鼻科のお医者さん以外は病変を確認しづらい場所で、今までほとんど治療されてきませんでした。ここに塩化亜鉛(えんかあえん)という炎症を治す薬を塗る治療をBスポット療法(又は塩化亜鉛療法)といいます。咽頭扁桃は鼻咽腔(びいんくう)と呼ばれる場所に存在します。「Bスポット」とはこの鼻咽腔の頭文字の「B」をとって元東京医科歯科大学耳鼻咽喉科教授の堀口申作先生が命名されました。咽頭扁桃の炎症に対して塩化亜鉛を塗ることにより炎症がよくなり、鼻からのどに粘液が下りてくる感じ、のどの違和感やのどの痛みなどの症状が改善します。口から鼻の奥のBスポットに向かって、曲がった綿棒に塩化亜鉛液をつけて咽頭扁桃に塗ります。処置の時間は数秒程度です。週1回程度の通院を行います。炎症が強い方ほど、薬がしみて痛みが出ます。痛みが強い方は数時間、ときに翌日まで痛みが残る場合があります。ただし、薬を塗った時に痛みが強いということは炎症が強いということなので、その後の治療効果が高いという傾向があります。薬を塗った後、口や鼻から出血(多くは痰や鼻水が少しピンク色になったりちょっと赤い色がつく程度)する場合がありますが、自然におさまってきます。治療後すぐに飲んだり食べたりしても構いません。詳しくはこちらのページをご覧ください
後鼻漏で悩んでいましたら、ぜひ一度当院にてご相談ください。
嗅覚障害
においの感覚に何らかの異常をきたす症状で「嗅覚異常」とも言われています。
嗅覚障害は風邪やインフルエンザなどの呼吸器系感染症や、花粉症など鼻炎・副鼻腔炎を原因として発生することがあります。治療は鼻の粘膜の腫れをひかせたり、ばい菌が悪さしていれば抗生物質(こうせいぶっしつ:ばい菌を殺す薬)を飲んだりといった原因になる病気を治していくことで匂いの回復を図ります。においがしなくなって、長期間そのままほっといたら、治療しても改善しなくなる可能性があるため、気になったら、早めにご相談ください。